WORDS / MEMORY / EVERYDAY LIFE
武岡 隆ブログ
本、活字、日本語、物語、記憶、時間。日々の中でふと立ち止まったことを、武岡 隆自身の言葉で静かに綴ります。
文学フリマで、本は一日だけの住所を持つ
文学フリマのブース番号は、会場内の位置を示すだけではない。告知やカタログで知った一冊へ、読み手の足を運ぶために、その日だけ働く住所でもある。
続きを読む柿のへたは、花のころから四枚ある
秋の柿に付いている四枚のへたは、実ったあとに加わったものではない。花の萼が残り、果実とともに大きくなったものだと知ると、一個の柿の見え方が少し変わる。
続きを読む章の終わりが、ページの途中に残す余白
章がページの途中で終わると、その下にはまとまった空きが生まれる。そこは単に文字がない部分なのか。次の章を新しいページから始める組み方と、読者がページをめくるまでの時間から考えた。
続きを読む同じ道を、行きと帰りで二度書く
往復する道の目印は変えず、並ぶ順序だけを反転させる。そのうえで、人物が何を見て、どこを早く通り過ぎるかを変えると、出来事の前後が説明なしに現れてくる。
続きを読む朝露が生まれやすい、晴れて風の弱い夜
朝露を作る条件として挙げられるのは、晴れた空と弱い風である。どちらも水滴を運んでくるわけではない。それなのに、なぜ露のでき方を左右するのか。夜のあいだに地面や草が失う熱から考えた。
続きを読む音のない雪が「しんしん」と降る
雪は、雨のようにはっきりした音を立てない。それでも「しんしんと降る」と書けば、降り続く様子に加えて、あたりの音や冷えまで伝わってくる。この四拍が雪のどこを表しているのかを考えた。
続きを読む栞を開いて、二ページ戻る
栞が正確に示すのは、本を閉じた場所である。そこが次に読み始める場所になるとは限らない。読書を再開するとき、なぜ少し前へ戻るのかを考えた。
続きを読む刷り上がった本には残らないトンボ
仕上がり位置を示すトンボは、ページのすぐ外側に刷られ、断裁とともに切り離される。その位置と、塗り足しとの役割の違いから、本の輪郭ができるまでを考えた。
続きを読む落ち葉の付け根にできる、離れるための層
葉は枝から無理に引きちぎられて落ちるとは限らない。葉柄の付け根では、落下より先に離層が働き、切り離すための変化が進んでいる。
続きを読む物語の場所を考えるとき、AIから借りる不便さ
架空の場所をAIに考えさせるなら、美しい名称や情景より、通りにくさや置き場のなさを挙げてもらう。その制約が人物の動作をどう変えるかを考えた。
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