WORDS / MEMORY / EVERYDAY LIFE
武岡 隆ブログ
本、活字、日本語、物語、記憶、時間。日々の中でふと立ち止まったことを、武岡 隆自身の言葉で静かに綴ります。
平らなカバー見本には、まだ「背」がない
カバーの校正紙には、表と背と裏がすでに印刷されている。それでも平らな状態の「背」は、まだ細長い図柄の一部にすぎない。本の厚みに巻き、折り位置を確かめることで初めて見えてくるものがあ…
続きを読む「時々」の二度目の「時」は、なぜ濁るのか
「時々」は、同じ漢字を重ねているのに「ときとき」ではなく「ときどき」と読む。踊り字「々」が繰り返しているものは、音ではなく字である。その小さなずれを見ていく。
続きを読むモズの高鳴きが区切る、秋の縄張り
秋の風物として聞かれるモズの高鳴きは、雄雌がそれぞれ越冬の場所を確保するための声でもある。目に見えない縄張りが、一羽ずつの声によって表へ出てくる仕組みを考えた。
続きを読む「十月も終わる」の一字が連れてくる時間
「十月が終わる」は月の区切りを述べる。「十月も終わる」とすると、そこには書かれていない時間まで入り込んでくる。助詞一字が、同じ月末の受け止め方をどう変えるのかを考えた。
続きを読むAIが書いた比喩を、登場人物は知っているか
比喩としては巧くても、そのたとえを登場人物が知っているとは限らない。AIが生成した一文を、表現の出来と語り手の一貫性に分けて考えた。
続きを読む「私は無邪気だ」と言いにくい理由
「無邪気な人」は自然なのに、「私は無邪気だ」となると落ち着かない。この言葉が、本人の性質だけでなく、それを見る側の判断まで含んでいるからではないかと考えた。
続きを読むうろこ雲とひつじ雲、見分ける手がかりは影にある
秋空に並ぶうろこ雲とひつじ雲は、呼び名だけでは見分けにくい。雲片の見かけの大きさと、その一つ一つに現れる陰影から、巻積雲と高積雲の違いをたどった。
続きを読む原稿ファイルの「最終」は、いつまで最終か
修正のたびに増えていく「最終」「最終2」「本当の最終」。原稿を受け渡すとき、内容を開かなくても更新の順序と確認状況が分かるファイル名について考えた。
続きを読む「言葉」という言葉は、どこまでを指すのか
「その言葉」と言えば一語を指すこともあれば、文全体や言い方まで含むこともある。「言葉」という語が伸び縮みさせている範囲を考えた。
続きを読む索引から拾う、本文を横切る一本の言葉
索引で一つの言葉を引くと、並んだページ番号が、章立てとは別の順序を作り始める。本文の中で離れて置かれた記述をたどり、その隔たりから見えてくるものを考えた。
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